ペット防災備えアイキャッチ

本サイトでは、これまでペット防災に関わる様々な記事を公開してきました。

それは、はじめてペット防災について考える、という方にとっては、個々の記事はいきなり具体的過ぎて【ペット防災】の全体像が把握しにくいものになった気がします。

そこで今回は、ペット防災、つまりペットを災害から守るための備えを大きく4つにまとめ、それぞれの概要を説明していきたいと思います。

本記事を通してご覧頂ければ、愛するペットのためにどのような事前備えをすべきか、その全体像をご理解いただけるものと思います。
それぞれの項目について更に具体的に知りたい場合は、当該<関連記事>へお進みください。

ペットを災害から守るための4つの備え

体調維持のための備え

ペット体調維持

災害などの天変地異に対して人間以上に敏感なのが犬や猫などのペットです。
雷に怯える犬、地震で狭いところに逃げ込む猫、珍しい光景ではありません。

ひとたび災害が発生、被害を受け環境が変われば、私たち人間はこの先生きていけるのか・経済的に大丈夫なのか・家族親類友人の安否、など多くの不安を抱えます。
「不安」は大きなストレスとなり、体調を崩す原因に・・・・

<メモ>


2016年熊本地震では、死亡者(人間)全体の約78%が【災害関連死】であり直接死(約18%)を大きく上回る。

※残り約4%は行方不明

そして、災害による疲労・心労で体調を崩すのは、ペットも同様であると覚えておいてください。

これに対して、日ごろの備えとして大切なのが、フードなどの多めの備蓄と平常時において常にペットが健康でいられるようにすることです。

具体的には、

  • ペットフード・水の常時備蓄(最低3日分・推奨7日分以上)/多めの薬
  • ワクチンの接種
  • ノミ・ダニの予防や駆除
  • フィラリア予防
  • 避妊・去勢手術
  • においや毛の手入れ

等々、災害を意識する、というよりは(災害時のストレスにも負けない)基礎的な健康体を維持すると考えるべきでしょう。

<関連記事> ペットの健康管理


一緒に逃げるための備え

ペット一緒に逃げる

地震で家が傾いた・近くの河川が氾濫するかもしれない・津波が迫っている!・・・・避難しなければなりません。
一刻を争う状況において、例えば、「大型犬が飼い主の思惑とは別にあらぬ方向に行こうとする」・「猫がベッドの下に隠れてしまい出てこない」なんてことになったら、あなたとペットの生死に関わります。

この様な状況にならないためにも普段からの備えが必要です。

”俺に付いてこい!”で済まないのがペットとの避難行動なのです。

具体的には、

  • キャリーバッグに慣らす(小中型犬・猫のクレートトレーニング)
  • 犬の引っ張り癖を無くす(散歩トレーニング)
  • 犬用の靴(中大型犬)を用意しておく
  • 避難先の事前確認、自分とペットだけの避難訓練

などの備えをしておくと良いでしょう。

<関連記事> ペットを守るために必要な物



※トレーニング関係は下記「トレーニング編」の関連記事が参考になります。

環境変化に適応するための備え

ペット環境適応

あなたとペットは被災して避難しました。
避難先は、避難所かもしれないし、友人の家かもしれません。
慣れない環境で行動も制限されます。

あなたにとってもペットにとっても重大な試練と言えるでしょう。
そして、そこに集う他の被災者も同様です。

その試練を「皆で」乗り切るためにどうすべきか?
を考えると平常時に備えておくべきことが見えてきます。

具体的には、

  • 噛ませない、飛びつかせない(犬)
  • 「待て」「おいで」のしつけ(犬)
  • むやみに吠えさせない(犬)
  • 社会化 ― 家族以外の人、場所、におい、音、他の動物に慣らす
  • リード・ハーネスに慣らす(散歩トレーニング)
  • トイレトレーニング

などです。

他の被災者との間に摩擦を生じさせない
ペットが我慢しすぎて体調を崩さない
ための備えです。

<関連記事> イザという時に役立つペットのトレーニング


はぐれた時のための備え

ペットはぐれたときのために

人間だと自分が何者か説明することができるし、はぐれた事実、探している人などについて、他人に話し支援を求めることができます。
当たり前のことですが、ペットはそれができません。

また過去の災害被災記録からも教訓を得られます。

<メモ>


一度はぐれたペットの多くは飼い主のもとに戻っていない。

参考文献: 環境省「東日本大震災における被災動物対応記録集」「熊本地震における被災動物対応記録集」

その原因はなんでしょう?

多くの迷子ペットのケースは、以下にあげるような備えができていませんでした。

  • 鑑札・狂犬病予防済票(犬)の装着【義務】
  • 迷子札の装着
  • マイクロチップ装着【義務になる予定】
  • 飼い主がペットの写真を普段から持っておく

これらはペットの身元証明手段でもあり、飼い主自身の所有証明手段でもあるのです。
ペットが誰かに保護された場合、これらの備えにより高確率であなたの元へ戻ることができるでしょう。

<関連記事> マイクロチップについて


※他に上記「物品編」の関連記事も参考になります。

ペット防災クイックガイド

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クイックガイド(キャプチャ)
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<更新履歴>
2020/11/30 記事公開