不特定多数の人や動物が集まる避難所で、愛猫を病気から守り猫自身のストレスを軽減するため、また周囲の人たちを含めお互いに気持ちよく過ごせるよう、普段からできる健康管理をご紹介します。
ワクチンの接種
避難所にはあなたの猫と同じように「同行避難」してくる不特定多数の動物がいるため、感染症の発生リスクが通常より高まる可能性があります。
また、避難云々を抜きにしても愛猫を病気から守るために、予防できる病気のワクチン接種は定期的に行っておきましょう。
現在ワクチンで予防できる猫の病気は以下の6種類です。
- 猫ウィルス性鼻気管炎(猫ヘルペスウイルス感染症)
- 猫カリシウイルス感染症
- 猫汎白血球減少症
- 猫クラミジア感染症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズウイルス)
6種類あるので6回別個に受けなければならないというわけではなく、基本的に3種混合、5種混合などの形で接種します。
どのタイプをどの順番で接種するか、また接種の時期などに関しては、猫の体質や健康状態によって変わってきますので、かかりつけの動物病院に相談してください。
ノミ・ダニの予防や駆除
ノミやダニは、他の猫や動物へ感染するだけでなく人間への感染症の原因となることもあります。
避難所でノミやダニが蔓延してしまうような事は衛生管理上避けなければなりません。
飼い主の方が避難所において肩身の狭い思いをすることにもなりかねません。
予防や駆除は常日頃から行っておきましょう。
スプレータイプ、錠剤タイプ、首輪タイプ、首の後ろの地肌につけるスポットタイプなど種類も多く、市販ですぐ手に入れることもできます。
ですが、根本的な予防・駆除を行うためには、やはりかかりつけの動物病院に相談するのが一番適切な方法でしょう。
避妊・去勢手術
多頭飼いができる環境であり、且つ数が増えても最後まで必ず全ての猫の世話ができる状況にある等の理由で今後も繁殖を望んでいる場合を除いては、避妊・去勢手術を行っておく事をお勧めします。
「家の中で飼っているから大丈夫」という声もあるかと思いますが、突然の災害に驚き逃げ出してしまった猫同士が繁殖して、野良猫が増えてしまうなどという事は避けたいものです。
(過去の震災等で、一度はぐれてしまった猫は、多くのケースで飼い主のもとへ戻ることはありませんでした)
また、発情期の鳴き声は動物が苦手な人にとっては不快なものとなってしまうこともあります。
避難時期と猫の発情期が重なってしまった場合は猫自身のストレスも計り知れません。
避妊・去勢手術を行うことで、感染症、生殖器系の病気の防止にも効果があります。
ニオイや毛の手入れ
一緒に暮らしているとわからなくなってしまうのですが、普段動物と接していない人にとっては動物のニオイは気になるものです。
万が一避難所で一緒に生活する事になった時にお互い快適に過ごすためにも、愛猫は常に清潔にしてあげるよう心がけましょう。
また、ブラッシングもこまめに行い、抜け毛や汚れを取り除きましょう。
日頃のチェック
平常時であり健康な時の愛猫の様子を日々確認しておくと避難所などでの非常時に体調変化やストレスに気付きやすくなります。
尿や糞の様子(量、色、におい、トイレ回数など)も知っておくと良いでしょう。
避難所において少しでも様子がおかしいと感じた時には、巡回に来るであろう獣医師さんなどに相談します。
<更新履歴>
2020/01/31 記事公開