犬の健康管理TOP写真

あなたの愛犬が避難所において人々に受け入れられるか、その犬の健康管理面の要素が多いにあります。

不特定多数の人や動物が集まる避難所で愛犬を病気やストレスから守り、また周囲の人たちともトラブルなく気持ちよく過ごせるよう、普段からできる健康管理をご紹介します。

ワクチンの接種

犬のワクチン注射
避難所には同じように「同行避難」してくる不特定多数の動物がいるため、感染症の発生リスクが通常より高まります。

犬が多く集まる場所で発生しやすい病気、また、犬から人へうつる感染症もあります。

ご自身の愛犬のためにも、また、他の犬や人に万が一でも病気をうつしてしまわないためにも、予防できる病気のワクチン接種は定期的に行っておきましょう。

避難時等の緊急事態を抜きにしても、ワクチン接種は愛犬の健康を保つためにも有効です。
現在ワクチンで予防できる犬の主な病気は以下の通りです。

  1. 狂犬病
  2. 犬パルポウイルス感染症
  3. 犬ジステンパー感染症
  4. 犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)
  5. 犬伝染性叩頭気管炎(アデノウイルス2型)
  6. 犬パラインフルエンザウイルス感染症
  7. 犬コロナウイルス感染症
  8. レプトスピラ感染症

上記の内、狂犬病の予防接種は年に1回受けさせることが、法律(狂犬病予防法)により飼い主に義務付けられています

過去の震災発生時の避難所において、犬の狂犬病予防接種を受けてないことにより入所を断られたケースもあります。

その他の予防接種に関しては混合ワクチンもあります。
どのタイプのワクチンが必要か、また接種の時期やサイクルに関してはその犬の年齢、体質、その他の要因によって変わってくるため、まずはかかりつけの動物病院に相談してください。

ノミ・ダニの予防や駆除

ノミやダニは、他の動物へ感染するだけでなく人間への感染症の原因となることもあります。
避難所でノミやダニが蔓延してしまう事は避けるためにも、予防や駆除は常日頃から行っておく必要があります。

スプレータイプやシャンプーなど市販ですぐ手に入れることもできますが、根本的な予防・駆除を行うためには、やはりかかりつけの動物病院に相談するのが一番適切な方法でしょう。

フィラリア予防

「フィラリア」を媒体として犬の心臓等に寄生する恐ろしい寄生虫
フィラリアの寄生による疾患を「フィラリア症」と呼びます。

フィラリア寄生ルート

避難所では基本的に犬は屋外での生活となりますので蚊に刺される機会も増える可能性があります。

また、常に愛犬に健康でいてもらうためにも、予防薬を定期的に与えましょう。
投薬時期等の詳細はかかりつけの動物病院に確認してください。

避妊・去勢手術

・多頭飼いができる環境がある
・数が増えても最後まで必ず全ての犬の世話ができる状況にある
等の理由で今後も繁殖を望んでいる場合を除いては、避妊・去勢手術を行っておく事をお勧めします。

避妊・去勢手術を行っておけば、避難所での過剰なマーキングや無駄吠えなどの問題行動を未然に防ぐことができます。
更に、感染症、生殖器系の病気の防止にも効果があります

手術を行わないまま、万が一避難時期と発情期が重なってしまえば、犬自身に過剰なストレスがかかります。

においや毛の手入れ

普段一緒に暮らしている飼い主さんは慣れてしまって気付かないことが多いのですが、犬は猫よりも臭いが強く、普段動物と接する機会のない人、また動物が苦手な人にとってはその臭いを不快と感じることもあります。

犬のシャンプー

避難所で臭いのトラブル等が発生しないように、愛犬は常に清潔にしてあげるよう心がけましょう。
また、ブラッシングもこまめに行い、常に抜け毛や汚れを取り除いてください。

日頃のチェック

日頃健康な時の尿や糞の様子(量、色、におい、トイレ回数など)も知っておくと、犬のちょっとした体調変化やストレスに気付きやすくなります。

避難場所に滞在中、少しでも様子がおかしいと感じた時には巡回に来た獣医師さんなどに相談しましょう。

また、普段から1年に1回程度、動物病院で定期検診を受け、常に犬が健康であるよう心がけておくと、万が一の緊急時にも安心して避難する事ができます。


<更新履歴>
2020/04/22 公開
2020/04/23 写真・文章追加