犬との同行避難を想定しての準備【物品編】TOP写真

災害時のペットとの避難に関しては、環境省指導のもと各自治体では「同行避難」が原則とされています。

しかしながら「同行避難」とはあくまでも避難所までペットを連れていける事であり、その後のペットの受け入れ形態は各市区町村や避難所の設備や状況、また同行したペットの状態などによって変わってきます。

ここでは、ペットと同行避難する事態が発生した際に迅速に避難できるよう、また周囲の人たちとの関わり合いも含め、少しでもスムーズ且つ快適に避難生活が送られるように、普段の生活の中で事前に準備ができる事をご紹介します。

災害はいつ発生するかわかりません。

台風や豪雨などは予報により数日前には心の準備はできますが、いざペットと同行避難に必要な事柄を全てクリアするには、数日では難しいでしょう。

また一度に全て!となると経済的にも心理的にも大きな負担となります。

日常の中で余裕のある時に、少しずつ準備をしていく事をお薦めします。

犬の身元表示

迷子札

鑑札

犬を新しく飼い始めた人は30 日以内に(生後90 日以内の子犬の場合には、生後90 日を経過してから30 日以内に)、飼い主の住居がある市町村での登録が義務付けられています。

登録が完了すると渡される登録番号が記載された鑑札は愛犬に装着しなければなりません。

この鑑札は、万が一災害の際に愛犬が逃げ出してしまっても身元表示として有効であり、後に飼い主さんと再会できる可能性が高くなります

狂犬病予防済票

さらに「狂犬病予防法」によって、愛犬に毎年1回の狂犬病予防注射を受けさせることも飼い主の義務となっています。

そして狂犬病の予防注射後に渡される注射済票は愛犬に装着しなければなりません。

これが済んでいない犬に関しては、特殊なケース、例えば生後90日以内などを除き、同行避難しても避難所で受け入れを拒否される可能性が大だと考えておきましょう。

また鑑札同様に愛犬の身元表示としても有効です。

迷子札

鑑札や予防注射済票にプラスして「飼い主と犬の名前、連絡先」を明記した迷子札を首輪に付けておくのもいいでしょう。

公的機関を介さず犬を保護した人から直接連絡をもらえるメリットがあります。

マイクロチップ

災害時において、極限の恐怖を感じてしまった犬が激しく暴れて、鑑札や注射済票を装着した首輪等が外れた状態で逃げ出す事も十分考えられます。

そんな時の為に、愛犬の体内にマイクロチップを埋め込むのも、愛犬の身元表示方法のひとつとなります。

マイクロチップ: 直径約2mm, 長さ約8mm~12mm/円筒形

<詳しくはこちらの記事が参考になります>

キャリーバック(小型犬の場合)

キャリーバッグ

小型の愛犬の場合、同行避難には、避難所への移動、また避難所で犬が過ごす場所としてキャリーバックが必需品となります。

動物病院への移動手段として既に家にあるという飼い主さんが大多数とは思いますが、もしもまだ持っていないという場合は購入しておきましょう。

よく見かけるプラスチック製のハードタイプが作りもしっかりしていておすすめです。

その他、背負えるリュックタイプなども良いかもしれません。リュックタイプは避難する時に両手が空いて便利です。

ただ、背中の犬の様子が確認できないので脱走してしまわないように注意が必要です。

また形状的に、避難期間が長くなりそうな場合はあまり適しているとはいえないかもしれません。
最近は災害避難用に特化したケージ付リュック型キャリーバックも販売されています。

色々なメリット・デメリットを考慮し、飼い主さんご本人が納得のいくもの、そして大切な愛犬を守るのに最適だと思うものを選んでください。

リード・ハーネス

リード

中型~大型犬の場合は、キャリーバッグではなくリードやハーネスなどに繋いでの同行避難になると予想されます。

また、小型犬も避難時、キャリーバックへの出し入れ時の脱走を防ぐため、また長引く避難のストレスを解消するために散歩をさせてあげる時などにリードやハーネスが必要になります。

犬の場合は散歩時にリードやハーネスを使いますので、改めて準備する必要はないご家庭が殆どだと思われますが、何らかの理由で使っていない場合は購入し、愛犬がリードやハーネスに慣れるようにしておきましょう。

犬用の靴

犬の靴

地震や台風などの災害の場合、道路に散乱したガラスの破片や瓦礫は大変危険です。

これらによって愛犬の足裏が傷ついてしまわないよう、愛犬用の靴を準備しておきましょう。避難の際にスムーズに靴が装着できるように、普段の散歩の時から慣らしておくようにしましょう。

また、中型~大型犬に限らず小型犬にとっても、靴は足裏の保護に役立ってくれます。避難の際にはキャリーバッグで移動するとしても、万が一の時用に一足用意しておくことも検討してみてください。

薬・療養食・食べ物・水

もし持病がある等で、薬や療養食を与えている場合は、それらも被災に備えて備蓄しておきましょう。

かかりつけの動物病院に「被災用・避難用」として多めに貰えるか相談してみるとよいかと思います。

ドッグフード

また、普段食べ慣れているドッグフードも準備しておきましょう。普段は比較的好き嫌いのない犬でも災害時のストレスで食欲不振に陥る事があります。

そんな時のために、ご自身の犬が特に好んで食べるドッグフードを用意しておくのもいいでしょう。

水は人間の分を備蓄する際に、犬の分も考慮して少し多めに備えておくとよいでしょう。

どれも、最低5日~7日分は準備しておく事が望ましいでしょう。

※地域の「防災備蓄倉庫」にはペット用品は含まれていない、と考え自分で用意するほうが無難です。(含まれているところがあるとすれば、それは「極まれなケース」です)

ペットシーツ・エチケット(トイレ)袋

ペットシーツ

避難所で過ごしている間、またストレス解消の散歩時などの、おしっこ・うんちの処理に必要になります。

臭いや汚れに関する周囲の方たちとのトラブルを防ぐため、少し多めに用意しておきましょう。

愛犬の写真

愛犬の写真

万が一はぐれてしまった時のために、愛犬の写真をいろいろな角度から撮影しておきましょう。

顔や全体像はもちろん、模様や尻尾など、愛犬の特徴的な部分も重点的に撮ってください。

また飼い主さんと一緒の写真も必ず撮っておきましょう。

スマホに画像を保存しておくのもよいですが、バッテリーが切れてしまった時の事も考慮し、印刷した写真を財布や定期入れなどにも入れておくとよいかと思います。

その他 あると便利な物

災害時にたくさんの荷物を抱えて逃げ出す事は困難であるため、上記は必要最低限準備しておきたいものを記載しましたが、以下に「あれば便利なもの」をリストアップしておきます。

・ 愛犬の臭いの付いたバスタオル(ケージなどに被せるため)
・ 気に入っているおもちゃ
・ ブラシ(抜け毛ケアのため)
・ 新聞紙

以上、ご参考になれば幸いです。