筆者はペット防災の勉強会を行うことがあります。
参会者であるペットを飼っておられる方は、ペット防災について非常に気にされます。
家族同様に愛おしいペットに関することですから、大変熱心に受講されます。
ですがご自身の防災については、ペット防災ほど熱心では無いように感じることが多々あります。
もちろん自分なりに勉強して色々な災害ケースに想定した防災の備えをしている、ということであればいいのですが、そうでもありません。
なので筆者が勉強会で必ず話すことがあります。
そう、この記事のタイトルにある問いかけです。
【ペット防災の前に「自分防災」は大丈夫?】
以下、少し深堀してみます。
ペット防災を支えるのは自分防災
防災の基本は「自助」であると言われています。
自分のことは自分で守る、自分で自分を助けるという考えです。
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そしてペットを飼っている方にとっては、「ペット防災」も、この「自助」に含まれます。
被災してしまった際にペットを守る義務があるのは飼い主さんです。
言うまでもなく飼い主さんがご自身を守れない状況では、ペットを守ることはできません。
そのような事態に陥らないためにも、自分を守るための日頃からの備えが重要です。
「ペット防災」を支えるのは「自分防災」であることの認識が飼い主さんに求められます。
気持ちの部分の備えも重要
もちろん、これまでの記事に書いてきたようなペット防災の備え、例えば、
- ワクチンの接種
- 去勢・避妊手術
- クレートトレーニングを含むしつけ
- 7日間程度のペットフードの確保
- 一時預かり先の事前確認および確保
などのペットに直接関係する準備も大切ですが、飼い主さんがご自身を守れるということが大前提です。
ペットに関しての万全の備えを意味あるものにするためにも、一旦ご自身の「備え」を見直してみる機会を持つことをお薦めします。
「備え」というと真っ先に思い浮かべてしまうのが防災・避難グッズの確保、耐震対策などですが、「気持ちの部分での備え」も非常に大切だと筆者は考えます。
「この近辺はこれまで一度も災害に見舞われたことはなかったからたぶん大丈夫」
「地震が来たとしても我が家は免震構造だから大きな被害はないだろう」
「ペットフードなどはすぐ届かないだろうから準備はしたけど、人間の食べ物や水は防災倉庫に備蓄があるし救援物資として届くから敢えて準備しておく必要はない」
このように考えている人が残念ながら少なからずいることは事実です。
確かにその場所は安全な地域かもしれません。
全壊や半壊、一部損壊の可能性が極めて少ない頑丈な家なのかもしれません。
しかしながら、これまでの例を見てもこの災害大国では予想していなかったことが日々起こります。
「万が一」のことを考えて、日頃からの備えは必要だと、この国に住んでいる以上は言わざるを得ません。
更に、災害発生後に公的支援が被災地に十分に行き届くまでには時間を要します。
ボランティア等の公的でない支援物資にも数に限りがあります。
「支援物資が来るから」と、時間も余裕もあるのに自分自身のために必要な準備をしない人が最後まで愛するペットを守り切れるでしょうか。
もう一度、ご自身の「気持ちの備え」を再確認してみてはいかがでしょうか。
その行動が愛するペットを守ることに繋がっていくのだと考えます。
<更新履歴>
2020/7/29 記事公開