ここ数年、異常とも思える暑さが続く日本の夏。
人間だけでなく、ペットにとってもこの暑さは過酷です。
屋内で飼っているから大丈夫と思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
けれども、真夏に災害に見舞われ、エアコンが使えず家内がサウナのようになるかもしれません。
避難所での生活を余儀なくされる可能性もあります。
そのような状況下では人間だけでなく、ペットにも熱中症対策が必要になります。
あなたの愛するペットが熱中症にならぬよう、そして暑さを軽減できるよう、特に非常時を見据えた熱中症対策として「熱中症対策アイテム」を用意しておきましょう。
熱中症対策アイテムの紹介
停電が起きることを想定して電気を使うものは省いています。
また自宅避難・避難所生活両方を想定して持ち運べるものに限定しています。
クールマット(犬、猫)
自宅だけでなく、避難する場合でも避難所へ移動後、ケージやクレートの中に敷いてあげれば、熱さに対するストレスを軽減でき、また、熱中症の予防にもなります。
防水加工が施してあり、噛み癖のあるペットでも心配のない丈夫な素材のものがよいでしょう。
クールネック(犬、猫)
冷蔵庫で冷やしておける保冷剤タイプもありますが、非常時は停電する可能性もあるので、水に濡らすタイプが適しているでしょう。
水に濡らせば何度も使えるという意味でも、防災グッズとしては水に濡らすタイプがオススメです。
クールベスト(犬、猫)
こちらも色々なタイプがありますが、首とお腹の部分をマジックテープで止めるだけで素早く簡単に装着できるものがよいでしょう。
また、クールネックと同様、保冷剤タイプよりも水に濡らして冷やすタイプが防災グッズとしては適しています。
ペット用飲料水(犬、猫)
ペット用の水を十分に確保しておけばこちらは必ずしも必要ではないかもしれませんが、非常時用備蓄品ボックスや緊急避難リュックのスペースに余裕がある場合は追加してもよいでしょう。
ペットの体液に近い電解質組成で、水分・ミネラルをすばやく補給できます。
2リットル程度の大容量タイプ、500mlのペットボトルタイプ、そしてコンパクトなゼリー状タイプもあります。
霧吹き(犬、猫)
万が一ペットの体温が上がり熱中症の危険がある時には、霧吹きで水を体に掛けてあげる事でペットの体温を下げることができます。
その場合は、毛の少ないお腹や脇、脛内側などにかけてあげるようにしましょう。
上述のクールネックやクールベストを使う場合にも霧吹きで水分を追加してあげることができます。
霧吹きを使う最大のメリットは、限られた水を無駄なく使い水の消費を最小限にできることです。
注意点として、かけた水をそのままにしておくと、蒸し暑い気温の中では雑菌が繁殖し臭いが発生する事があります。
ある程度落ち着いたら水分はふき取ってあげるようにしてください。
シューズ(犬)
国土交通省道路局の資料によれば、「一般的なアスファルト舗装では、晴天の場合の路面温度は、朝7時30分時点で35.4度。12時から15時の間は、最高で57.4度に達している」との事です。
これは2015年7月22日に都内で計測されたものだそうですが、更なる温暖化により、地域によってはアスファルトの温度がこの数字を上回る可能性もあるでしょう。
普段の散歩は朝や夕方の涼しい時間帯を選んでいるかもしれませんが、真夏の炎天下での避難が必要になる可能性もあります。
そんな時に、ペットの肉球が高温のアスファルトに触れるのは避けたいものです。
また、シューズは災害時に散乱しているガラス破片や木片からもペットの足を守ってくれます。
熱中症対策というより火傷・裂傷対策として、シューズを用意しておくことをお勧めします。
※毛皮に覆われている犬や猫の場合、熱を逃がせるのは耳、舌、そして肉球のみです。
シューズを履いたままにしてしまうと、肉球からの体温調節ができず体に熱がこもり、熱中症になってしまうこともあります。
万が一、真夏の炎天下での避難が必要になった場合でも、避難所へ移動し高温の地面にペットの足が触れない状況になったら、シューズはすぐに脱がせてあげてください。
平常時に慣らしておく
シューズにしてもクールベストにしても普段からつけていないとペットが嫌がる可能性があります。
イザという非常時にペットが装着を嫌がるようでは、折角の準備が台無しです。
熱中症対策アイテムを事前に準備すると同時に、何度か屋内で実際に装着し、慣らしておくことが必要です。