漬物作りの1つの手法である『切り漬け』を作って、食料備蓄力をアップさせましょう!
日常の野菜摂取だけでなく、非常時の食料としても切り漬けは重宝します。
一般的な漬物作りよりずっと手軽に、それでも美味しいのが切り漬け。
一人暮らしの方、集合住宅住まいの方でも問題ありません。
この記事は、切り漬けの作り方から、防災を意識した食料備蓄手段としての切り漬け導入について説明しています。
ご参考になれば幸いです。
切り漬けとは?
一般的に漬物は、野菜の形そのままで塩・ヌカ・調味液などに漬けることが多いのですが、この切り漬けはその名の通り食べやすいサイズに切ってから食塩に漬けます。
また、塩分も2%と薄塩(一般的な漬物は4%程度)なので、そのまま食べるだけでなく炒め物や煮込みなど料理の素材としても使いやすく、そして高血圧の人でも安心して食べられます。
筆者は、京都の料理研究家である大原千鶴さんがNHKの「きょうの料理」で切り漬けを紹介していたのを視て、実際に作ってみてその簡単さ美味しさに感動しました。
それ以来、切り漬けは我が家の定番料理になりました。
<大原千鶴さんの切り漬け(NHKサイト)>
切り漬けにマッチする野菜
一般的な漬物と同様に、白菜、大根、人参、カブ、キュウリ、そしてキャベツ、小松菜なども使えます。
手軽に作れますので、その他いろいろな種類の野菜で試してみるのも面白いかも。
芯や葉なども無駄なく使う
一般的に食べる部位の他、例えばキャベツの芯や大根の皮・葉なども無駄なく使うのが切り漬けの良いところです。
小さく切ってから漬けるので、硬い部位でも大丈夫なのです。
切り漬けの作り方
ここからは実際の作り方を説明します。
- 漬ける野菜をよく水洗いします。
大根や人参の皮部分も使う場合は、タワシなどできれいに泥を落としましょう。 - 食べやすい大きさにカットします。(写真は大根の皮)
キャベツの芯などの硬い部位は、細目にカットするとより食べやすくなります。
- ビニール袋にカットした野菜を全て投入し、重さを量ります。
- ハカリに置いたまま野菜重量の2%相当分の食塩を袋の中にふります。
※写真のケース、1g多い8gですが誤差の範囲です。 - ビニール袋を膨らましシェイクし塩分を分散させます。
- 力強くもみ込んでから空気を抜き冷蔵庫に保管して仕込み完了。
寒い季節ならベランダなどの屋外に保管することもできます。
次章では食べ方を紹介します。
切り漬けの食べ方
仕込み2時間後から食べられますが、食べるタイミングにより乳酸菌の発酵作用で状態が変わってきます。
もちろんそのまま食べても良いのですが、その状態に合わせた美味しい食べ方があります。
食べるタイミング
この記事では仕込み後の経過時間により、漬け種類を以下のように表現します。
ある程度の量を作って、超浅漬け、浅漬け、当座漬け(前期、後期)、それぞれを状態に合わせた料理で楽しんで頂きたいと思います。
※3週間を過ぎてくると発酵が進み過ぎて、次第にドロドロの液体と化しますので3週間で食べ切る位の量を作りましょう。
※保存場所の温度により、発酵の進み具合は変わってきます。温度が高いほど発酵が速く進みます。
お薦め料理例
大原千鶴さんのレシピ(NHKサイト)に掲載されていますが、超浅漬け・浅漬けならこれがお薦めNO.1↓
軽く絞り水気を切った切り漬けの上にかつお節とマヨネーズを載せるだけの簡単料理。
少しずつ混ぜながら食べると絶品なのです。
浅漬け・当座漬け(前期)なら、肉類との炒め物が美味しい↓
※生野菜で炒める時より気持ち塩分控えめに。
また、当座漬け(後期)なら、肉類・乾物などと一緒に煮込むと酸味の効いた美味しい煮込みができます。
食料備蓄の一環として
ある程度の期間保存できて、手軽に野菜を摂取でき、更には料理が簡単で美味しいのが切り漬け。
作り置きしておけば、日常使いの料理素材としてだけでなく、非常時にも大いに助かる食料になるに違いありません。
作り置きと言ってもそれぞれのご家庭の人数や食生活スタイルおよび季節に合わせ、
・2-3日に1回、野菜の皮・葉・芯などで少量作る。
・1-2週間に1回、白菜や大根をふんだんに使って大量に作る。
・不定期に残り物野菜で作る。
など、いろいろな方法を組み合わせると良いでしょう。
いつ災害がやってきても自宅にはある程度の食料がいつもある。
野菜も豊富にある。
切り漬けが、そんな食料備蓄の一助となれば嬉しく思います。
どうぞお試しあれ。
<参考サイト>
「みんなのきょうの料理」(NHKエデュケーショナル)
<更新履歴>
2021/02/19 記事公開