2021年3月 政府の地震調査研究推進本部 地震調査委員会が、2020年版全国地震動予測地図を公表しました。
地震動予測地図とは、現時点で考慮し得るすべての地震の位置・規模・確率に基づき、各地点がどの程度の確率でどの程度揺れるのかを計算し、その分布を示した地図のことで、継続的な長期評価結果などを加味し、毎年更新されています。
当記事では、日本全国およびエリア別の地図を掲載しましたので、ご自身やご家族のお住まいの地域または転居検討地域にて地震が発生する予測確率を知っておきましょう。
※前回公表は2018年版で、2019年版はありません。
※2021年4月23日現在、2020年版が最新です。
地震動予測地図の見方
この記事に掲載している全ての地図は、以下の条件での予測データとなっています。
⇒ 今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率
また、確率を5段階に色分けしており、知りたい目的地の色を見れば、地震発生確率(予測)が分かるようになっています。
尚、以下出典元のサイトでは、更に詳しい情報が公開されていますので、ご興味のある方は是非訪れてみてください。
地震動予測地図も見るときの注意点
「確率が低いから安全とは限らない」という点は覚えておいてください。
実際に、確率が低い地域でも過去にM7クラスの地震が発生しています。
・1983年日本海中部地震(M 7.7)
・2005年福岡県西方沖地震(M 7.0)
・2007年能登半島地震(M 6.9)
あくまでも「確率」であり「予測」です。
<関連記事>予想される地震と安全な地域は?
2018年版予測地図からの主な違い
確率の5段階色分けをしていますが、若干色合いが変わっていますのでご注意ください。
また、当該サイトから「2018年版予測地図からの主な違い」を引用します。
(1) 東北地方や関東地方北部の太平洋側では、東北地方太平洋沖地震後の地震活動を考慮したことによる確率の増加。
(2) 関東地方では、増幅率の計算に用いる浅部地盤構造モデルを改良したことによる確率の増減。
(3) 山梨県・静岡県・長野県東部では、南海トラフ沿いで発生する大地震の震源域について従来よりも多様性を考慮したことによる確率の減少。引用元: 全国地震動予測地図2020年版のポイント
「主な違い」の他「小さな違い」も多々ありますので、2018年版を過去に確認されたことがある方でも、念のため2020年最新版もご確認ください。
<関連記事>【前回】2018年版当サイト記事
日本全国の地震動予測地図
南海トラフ地震の発生が予測される太平洋側を中心に、確率が高くなっているのが分かります。
エリア別地震動予測地図
注:厳密に地方ごとの地図にはなっていませんので、位置的に微妙な方は隣接地図も合わせてご確認ください。
北海道エリア
道東を中心に確率が高くなっています。
東北エリア
宮城県や福島県の沿岸部を中心に確率が高いポイントが見られます。
関東エリア
中南部を中心に広域で確率が高くなっています。
首都直下地震は、30年内発生確率が70%程度と予測されています。
中部エリア
静岡県の大半および名古屋都市圏を中心に高い確率となっています。
近畿エリア
和歌山県・三重県の沿岸、大阪中心部、奈良盆地などで確率が高くなっています。
中国・四国エリア
高知県・徳島県の大半、香川県の平野部、岡山県の沿岸部などで確率が高くなっています。
九州エリア
熊本県・大分県・宮崎県の一部などで確率が高くなっています。
沖縄エリア
全般的に、6-26%の確率を示しています。
その他の諸島・群島エリア
伊豆諸島
大島の一部などでスポット的に高い確率が見られます。
小笠原諸島
隠岐諸島
日本海側の隠岐諸島では、比較的低い確率になっています。
対馬
隠岐諸島同様に、日本海側の対馬では、比較的低い確率になっています。
トカラ列島
大東諸島
先島諸島
一喜一憂するだけでなく、行動しよう!
ご自身の住まいがある地域の地図を見て、一喜一憂するのは理解できます。
日本国に住んでいれば、大なり小なりの地震経験はあるでしょうし、その恐ろしさが身に沁みてるでしょうから。
ただ憂鬱になってそれで終わったり、安心して何もしなくていいやと思ったり、ではこの記事を読んで頂いた意味がありません。
エリア別地図の出典元であるJ-SHIS Map (国立研究開発法人 防災科学技術研究所)のサイトでは、地図を拡大することにより、300m四方程度までの小さな領域での確認ができます。
ご自身のお住まい、ご家族や友人の住まいも含めて、一度詳細に確認してみては如何でしょうか。
また当サイト「もし防」には、災害のために「備えておくべきもの」等の情報を掲載しています。
あなたの行動の助けになれば幸いです。
<参考サイト>
全国版の地震動予測地図: 出典 地震調査研究推進本部
エリア別の地震動予測地図: 出典 J-SHIS Map (国立研究開発法人 防災科学技術研究所)
<更新履歴>
2021/04/23 記事公開