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災害ボランティアに参加する方法として、大きく分けて、個人で参加する方法と団体で参加する方法があります。

それぞれ一長一短ですが、参加するまでの具体的な方法を紹介します。

具体的な方法が分かれば、災害ボランティア参加も現実のものとして考えやすくなります。

ボランティア種類、被災場所と自分の居住地の位置(距離)関係、時間的都合、懐具合などを総合的に考えて、最終的にどのような形で参加するかを決めると良いでしょう。

尚、ここで紹介する方法は、前提として活動の対象が特定されていない、つまり、困っている被災地の家族・親類を助けに行く、という様なケースを除いています。

個人参加

個人(知人・友人と複数人で参加するケースも含む)で参加する場合は、”とりあえず現地の役場に向かう!”というようなやり方は特別な場合(特別なコネクションで要請を受けている等)を除き、被災地側に混乱を生み出し迷惑を掛けることになり兼ねないので慎みましょう。
以下、順を追って参加までのプロセスを説明します。

現地ニーズ情報を掴む

初期の混乱期が過ぎ、更には災害ボランティアセンター(以降、『災害VC』と略)が立ち上がれば、次第に現地ニーズが見えてきますので、それら情報をキャッチできるようアンテナを張っておきます。
また、1年間有効の『ボランティア活動保険』加入は必須ですので、出発の際に慌てないよう早めに加入しておきましょう。

<現地情報発信の例>

  • テレビ/ラジオなどのマスメディアを使って(取材を受けて)被災地自治体が情報発信する。
  • 被災地自治体の災害対策本部がインターネットホームページを作成、情報発信する。
  • 災害VCがFacebook(フェイスブック)などのSNS(ソーシャルネットワークサービス)を活用して情報発信する。

災害VCは、基本的に被害を受けた自治体(都道府県+市町村)毎に設置されます。
今では、多くの災害VCがSNSを活用するようになりました。
費用が掛からず、極めて短時間で専用のページを作れ、しかも多くの人にタイムリーな情報発信をすることができるからです。

またそのページ上でボランティア参加希望者と交信、参加受付をすることもあります。
今では、災害復旧期の情報伝達手段として、SNSは大きな役割を担っています。

災害VCと段取りを確認する

災害VCの情報を掴み、先方と交信できるようになれば、次に具体的な参加の為の段取り調整を行います。

災害VCでは、現地ニーズの量、作業用資材の所有量など、現地側の諸々の理由により、参加者数を制限する場合があります。
災害VCがあなたを必要としている時期、あなたが参加できる時期を合わせこむ必要があります。

更に、出来るだけ具体的に、あなたが到着すべき場所、日時、持参物、現地での移動手段、自力食料調達の可否、緊急時の連絡先等を確認しておきましょう。
災害VCでは、時間の経過と共に、作業用資材や調理器具などボランティアに必要なものが揃ってきますが、初期の頃は必ずしもそうではありません。
時には、シャベルやスコップを持参してほしい、出来るだけ大きな鍋を持って来てほしい、そういった要望を受けることがあるかもしれません。

全行程の段取りを確認する

あなたが災害VCで受付を行い、活動をしている間を除き、あなたがどう移動するか、どこに宿泊するか、どこで食料を調達するか、災害VCは関知しません
自宅を出発してから、帰宅するまでの全行程を現地の道路状況も含め、しっかり確認・手配しておきましょう。

現地での食料調達が難しい場合(または状況が分からない場合も含め)、あらかじめ自宅から食料を持参するか、でなければ移動途中、コンビニなどの食料品店に立ち寄るなどして現地入りする前に確保しておきましょう。

宿泊する場合は、安全にテントを張れる場所を確認しておく、または近隣自治体の宿泊施設を手配しておきます。
注意すべきことは、被災地に近く、尚且つ営業している宿泊施設は、恐らくどこも満室になっているでしょう。
復旧にあたる工事業者などが多数応援に入るからです。
手配する宿泊施設から、災害VCまでの距離が遠くなってしまう場合は、両地点間の移動手段も合わせて確保しておく必要があるので注意してください。

実際に行って活動する

※現地に行く前に、服装と持ち物を準備(必要に応じて購入)する必要があります。
こちらのページ↓が参考になります。

ここから出発です。
出来るだけ公共交通機関(電車・バス)を使って現地に向かうようにしましょう。
自家用車は、交通渋滞の原因(緊急車両の通行妨げ)になりますので慎むべきですし、二輪車は災害で道路が荒れた状態であれば、大変危険ですのであまりお薦めできません。

尚、移動に掛かる費用は全て自己負担が基本です。
こちらのページも合わせてご覧ください。

そして、災害VC入りした後は、スタッフの指示に従い活動を行います。

団体参加

実は、お薦めは団体で参加する方法です。
団体の主催者(地元の社会福祉協議会、生協、防災士会、など)が、上記個人参加の方法で説明している
「1.現地ニーズ情報を掴む」
「2.災害VCと段取りを確認する」
「3.全行程の段取りを確認する」
「4.実際に行って活動する」
の殆どを予め確認・調整・手配してくれているからです。

参加希望者は、団体の主催者がホームページ上などで公開する募集情報をキャッチし参加申し込みする。
後は、指示に従い行動するだけです。
掛かる費用も個人参加・自力手配の場合と比べ、安くなることが殆どなのです。

但し、日程や集合場所など、あなたの都合を聞いて調整してくれません。
予め日程も全て決まっている中で、あなたが調整できるかどうか、そこがポイントとなります。

また、バス移動の場合、バス定員の関係から参加者上限が設定されますので、抽選で外れる可能性があることも理解しておきましょう。
最低参加人数が設定されている場合は、逆に参加人数が少なすぎて中止になることもあります。

まとめ

個人参加・団体参加、それぞれのメリットとデメリットを確認してみましょう。

<個人参加>

  1. メリット

    • 自分の日程的都合を主体に計画を立てられる
    • 計画の変更が容易
    • 気楽、寄り道可
  2. デメリット

    • 全て自分で段取りをする必要がある
    • 掛かる費用、実費自己負担

<団体参加>

  1. メリット

    • 主催者側が殆ど全ての段取りをしてくれる
    • ヘルメット、ゴム手袋など必要なものを貸してくれる場合がある
    • 一律料金支払いで、安価&手軽(団体割引を活用した料金設定)
  2. デメリット

    • 日程は全て決まっており、変更不可
    • 抽選外れ、または中止により必ずしも参加できるわけではない
    • 団体行動に束縛される

何といっても段取りを殆ど全て任せられると、自分の負担が物凄く小さくなります。
従って、特に初めての方には、団体参加をお薦めします


<更新履歴>
2016/11/28 記事公開
2020/06/29 文言・構成の小変更(マイナーチェンジ)