避難と避難所TOPイメージ

各地域には、指定の避難所・避難地が設定されています。

緊急時には、どういった判断でそこに避難しますか?
あなたの家に一番近い避難所を知っていますか?
そこまで実際に歩いたことがありますか?

これらの質問に答えられない方のためにこの記事を作りました。

避難の考え方

一言で「避難」と言ってもいろいろなケースがあります。
地震による津波・火災・建物倒壊の危険性のために避難するケース、
台風・大雨による洪水、進水、崖崩れ・地滑りが発生する危険性のために避難するケース、
など。

しかし、前者と後者では、大きな違いがあります。

地震によるもの、それは「いつ、どこに来るかわからない」ものであること、一方、台風・大雨は、数日前から天気予報でその危険性をある程度掴める、そして自分が住んでいる家が、川に近いとか、裏に植林の山があるとか、地形的な危険性は最初から分かっていることです。

であれば、一概に避難といってもそのやり方が変わるのは当然です。

地震による避難

グラっと来たり、緊急地震速報を受けたら、まず自分の身を守ることです。
大きな揺れの中、あなたは何もできないと思ったほうが良いです。

地震何もできない

台所の火を消すのは、揺れが収まってから。
現在は、都市ガスやLPガスは、震度5弱以上の揺れを感知すると自動的にガスの供給を遮断します。

屋内で転倒・落下した物、ガラスの破片などに注意しながら、落ち着いて被害状況や家族の安否を素早く確認、また窓や戸を開け(場合によっては壊して)出口を確保、そして『通電火災』を防ぐ為に、ブレーカーの主スイッチをOFFにします。
この時、柱が斜めになっているなど、建物倒壊の危険性を感じたら、速やかに屋外に脱出します。

企業に於いては、管理責任者の指示に従います。
大勢が各々勝手に動くとパニック状態になり危険です。

近隣で住宅倒壊・火災が発生している場合は、住民間で協力しながら救出・消火活動に努めます。
※但し、火の手が家の天井に達しているような火災は最早消火器やバケツリレーでの消火は無理ですし危険です。

屋外スピーカー放送やテレビ・ラジオ・インターネットなどで情報を収集し、適切に対処します。
避難勧告や避難指示に従う、津波警報・注意報がでている場合は、近くの高台に避難する。

臨機応変の対応が必要です。
避難する際は、隣近所にも声を掛けて避難するようにしましょう。

また車での避難は、渋滞に巻き込まれ危険ですし、道を塞ぎ、消防隊や救助隊の通行を阻害するので、やめましょう。

台風・大雨による避難

台風・大雨により具体的に何が起きるのでしょうか。
主なものは、

  • 強風による住宅など建物の破壊
  • 河川の増水・氾濫による住宅浸水
  • 地滑り・崖崩れによる住宅破壊

などです。

これらの災害に対して、基本はテレビ・ラジオ・インターネットの天気予報やニュースなどで情報収集し、危険や異変を感じたら、早めの率先避難が大事です。
そして地方公共団体から出される避難勧告・避難指示にも従うようにしましょう。

気象庁が発令する「注意報」は、前もって注意を促すものですが、「警報」は既に深刻な状態にあることを意味します。
川や山の斜面の近くに住んでいる住民の方、特に要介護者をサポートする方は、できれば「注意報」が発令された段階で行動するのが無難です。

警報が既に出され、大雨の影響で川の水が既に溢れているようなケースは、無理して避難所に行くのは逆に危険です。
マンホールの蓋が外れていたり、側溝、用水路など、溢れた濁流によって、足元が見えず大変危険です。

その場合は、自宅または近くの建物の2階以上のところに避難します。
自宅に2階があれば、大事な家財道具なども2階に避難させておくと良いでしょう。

ところで、気象庁の大雨・洪水警報や注意報で避難する人って、どれ位いるのでしょう?
年に何度も目にしますし、毎回毎回避難していたら大変だ、とお思いの方もいらっしゃると思います。

確かにそういう面はあると思います。
ただ一方で、避難しなかったがために、尊い命が犠牲になるということも毎年発生しています。

仮に、100回中100回避難しても、結局何も起こらなかった、とします。
じゃあ、もう避難するのをやめますか?
いえ、何も起こらなくて良かったと思うようにしましょう。
避難訓練になったと思うのも良いでしょう。
例え、確立1%でも、あなたは命を賭けるのは恐いはずです。

・・・といっても実際は避難する人が少ないと聞きます。
そこで、気象庁は最近になって、「特別警報」という基準を新たに作り、実際にいくつかのケースで使われています。

特別警報とは、警報の発表基準をはるかに超える豪雨や大津波等が予想され、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に発令されます。(気象庁HPより)

特別警報が発令されたら、「ただちに命を守る行動をとってください!」とアナウンスされます。
地域によって一概には言えませんが、避難するには既に遅し、かもしれません。
その時にできる最善の方法で身を守ることです。

平常時に避難所を確認しておく

避難所といのは、地方公共団体が予め地区ごとに決めておく、いざという時の避難する施設・場所のことであり、一般的には学校や公民館が指定されていることが多いです。
都道府県または市町村役場のホームページなどで確認できます。

ここで説明することは簡単です。
あなたがイザという時に避難する場所を事前確認しておきましょう。

確認して場所が分かりました。
その次にやることは、実際に自宅からその避難所まで歩いてみましょう

できれば、昼と夜1回ずつ歩けば、万全です。
昼と夜では、街の見え方が全然違うからです。
昼は問題なくても夜は迷うかもしれません。
見えにくい危険な側溝があるかもしれません。

また沿岸部にお住まいの方は、近くの高台や高い建物なども確認しておきましょう。
同様に、実際に歩いてみましょう。

これらのことを事前にやっておけば、イザという時は慌てずに対処できます。