煮干し(いりこ)と言えば、みそ汁などの出汁(ダシ)取りにつかう食材という認識の方が大半と思います。
ですが、今では出汁入りみそや便利な顆粒出汁も販売されていますので、煮干し(いりこ)で出汁を取るという家庭は少なくなってきているのではないでしょうか。
この記事では、出汁取りに使うかどうかに関わらず、防災的観点から非常食として煮干し(いりこ)を備えておくことをお薦めしています。
その理由を4つにまとめました。
※以下「煮干し」とだけ表現します。
煮干しとは?
広辞苑にはこう記載されています。
煮て干すこと。また、煮て干した食品。特にカタクチイワシなどを煮て干したもの。主に、出しの材料にする。だしじゃこ。いりこ。
引用元: 広辞苑
一般的に、東日本では【煮干し】西日本では【いりこ】と呼ばれています。
カタクチイワシの他、マイワシ・ウルメイワシ・キビナゴなどを原料としたものもあります。
理由1:長期保存できる
専用非常食のように5年とはいきませんが、未開封状態で半年~1年程度は保存できます。
冷凍庫を使えば更に長期保存が可能です。
一方で酸化劣化しやすいので、開封状態では長く良い状態を保てません。
従って、3か月~半年で回すローリングストックにするか、もしもの時に備えて未開封のまま冷凍保存するか、どちらかの使い方になると思います。
理由2:そのままでも食べられる
非常時は様々な状況になることが考えれます。
生活ライフライン(水、ガス、電気)が断絶する可能性があります。
非常用として物置に保管していたカセットコンロがダメージを受け使えないシチュエーションも考えられます。
非常食は、これら様々な状況を考慮し備えておくべきものです。
熱源が全く使えない厳しいケースでは「そのままでも食べられる」食品は助かります。
煮干しは、そのままでも食べられるし、料理の素材としても使える便利な食材なのです。
理由3:カルシウムが豊富
煮干しは言わずと知れたカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれた食品です。
そしてカルシウムには神経興奮の抑制効果、つまり「心を穏やかにする」効果があります。
非常時は、平常時では当たり前にあるものまたは出来るもの、が無くなりまたは出来なくなり、ストレス過多状態になります。
そんな時こそ、しっかりカルシウムを取れる煮干しがお薦めなのです。
メモ:煮干し100gに含まれるカルシウム量 2,200mg
(日本食品標準成分表2015年版(七訂))
※成人摂取推奨量700mg/日程度(年齢・性別により若干前後します)
また三大栄養素の1つである「タンパク質」および真夏の熱中症予防にもなる「塩分」も含まれています。
理由4:時短・簡単料理の素材としても秀逸
もし防では、非常時のために「カセットガスコンロ」と料理にも使える多めの「水」を備えておくことをお薦めしています。
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この章では、煮干しを使った料理レシピ
- 材料があれば「熱源」「水」が無くても作れる料理
- 「熱源」が必要な料理
- 「熱源」と「水」が必要な料理
をそれぞれ紹介します。
いずれも短時間で簡単に作れるものです。
非常時に備え、一度作ってみては如何でしょう。
ポン酢がけ
熱源・水は必要ありません。
<作り方>
煮干しにポン酢を回しかけ、混ぜながら5分で出来上がり。
お好みでゆず・かぼす・すだち・レモンなどのしぼり汁をかけると更に美味しくなります。
お酒の肴(アテ)にも合います。
煎り煮干しごま油あえ
熱源が必要になります。
<作り方>
煮干しをフライパンで煎り、1分程度でやわらかくなってきたら火を止めます。
ごま油を回しかけ、白ごまをふって和えます。
水戻して、色々な炒め物に
熱源と水が必要になります。
<作り方>
- 頭を取った煮干しを水に2・3分浸します。
- やわらかくなった煮干しの背中側から爪を入れ半分に割き、内臓と背骨を取り除きます。
- 野菜と一緒に炒めて出来上がり。
※煮干し自体の火の通りはあまり気にしなくても大丈夫です。
※ほうれん草やレタスなど火の通りが速い野菜だとガス使用量が少なくて済みます。非常時で野菜が無い時は、タンポポの葉っぱと炒めても美味しくなります。
<更新履歴>
2021/03/31 記事公開