ボランティアをしたい人(ボランティア)とボランティアをしてほしい人(被災された方たち等)を繋ぐ役割を担うのが、『災害ボランティアセンター』(以下、災害VCと略)です。
災害VCは、誰がどうやって開設しているのでしょうか?
そこで働いている人は、どんな人達なのでしょうか?
災害ボランティアに参加する前に、事前情報として、是非とも知っておいてください。
災害VCの誕生
阪神・淡路大震災が発生した1995年が「ボランティア元年」を呼ばれています。
1995年1月17日、兵庫県南部地震(M7.3)が発生、死者6,434人を出す大災害となりました。
行政や地域コミュニティの対応限界が露呈した都市型災害において、多くの人々が現地に駆け付け(推計:発生から1年間で約138万人)、ボランティアとして被災者・被災地支援を行いました。
そこで問題となったのが、被災者のニーズとボランティアをつなぐ調整機能の不在です。
その経験をもとに生まれたのが災害VCです。
東日本大震災をはじめその後の度重なる災害でも災害VCが設置され、多くのボランティアが貴重な戦力として活躍できるようになりました。
災害VCの運営主体
被災した市町村の役場や社会福祉協議会が主体となって設置されることが多いのですが、災害発生直後はそれら機関が同じく被災しているケースもあり、その場合は、有志ボランティアが主体となって設置されることもあります。
また、災害VCで活動するスタッフの多くは、やはりボランティアで構成されていることが多いのです。
災害VCの役割
「ボランティアしてほしい人(被災者など)」と「ボランティアしたい人」をつなぐ機能を持ちます。
被災者からのボランティア要請を受付、ボランティア希望者を受け入れ、班を編成し、派遣する。
また、作業に必要な道具や機械の確保、ボランティアニーズ情報の発信、行政側との連携、依頼案件毎の進捗管理等、その活動内容は幅広いのです。
『社会福祉協議会』という組織
前々章で、『社会福祉協議会』というあまり馴染みの無い組織名が出てきました。
どんなことを行っている組織なのでしょうか。
『全国社会福祉協議会』のホームページから一部抜粋します。
「社会福祉協議会(社協)」は、社会福祉法に基づきすべての都道府県・市町村に設置され、地域住民や社会福祉関係者の参加により、地域の福祉推進の中核としての役割を担い、さまざまな活動を行っている非営利の民間組織です。
以上のように、災害支援に限らず、社会福祉に関する様々な活動を行っている民間組織です(その名称から、行政機関またはその外郭団体の一つと勘違いされやすいのですが、民間組織です)。
災害発生時には、災害VCを設置したり、ボランティア派遣支援(団体参加)を行ったりしています。
熊本地震では、各地の社会福祉協議会のスタッフが熊本に派遣され、災害VC支援・避難所支援を行っています。